本記事ではインフラエンジニアの働き方やメリット・デメリットについて、現役インフラエンジニアの筆者が解説していきます。
本記事を読むことでわかること
・インフラエンジニアの仕事内容
・インフラエンジニアの年収
・インフラエンジニアのメリット・デメリット
・インフラエンジニアに向いているひと
本記事はこんな方におすすめ
- インフラエンジニアについて知りたいひと
- インフラエンジニアとして転職しようか悩んでいるひと
- サーバーについて興味があるひと
▼本記事の信頼性
インフラエンジニアのサーバ系業務に4年携わっていました。
本記事では参考として牛係長の体験をもとに記載していきます。
インフラエンジニアとは
インフラエンジニアとは生活基盤を意味するインフラとエンジニアを掛け合わせた言葉です。
お客様の生活やシステムを運用するうえで必要となるサーバやネットワークを設計・構築・保守・運用する職業のことをいいます。
インフラエンジニアの業務フローについては会社ごとにさまざまです。
今回は一例として筆者が務めているIT会社の大まかな業務フローをご紹介します。
筆者が務めるIT会社のインフラエンジニア業務
①設計
営業からシステム開発の要望をうけたら、サーバーの装置構成やシステムに必要なIPアドレス・VLANを検討する必要があります。
言葉をざっくり説明
IPアドレス:システム間の情報の送受信をするために必要となる住所みたいなもの
VLAN:特定のシステム間の通信を許容するグループみたいなもの
検討する内容としては以下のようなものがあります。
検討内容の例
・装置構成に沿って必要になる物品
・購入先のメーカーの選択
・必要物品の数・コストの見積もり
・サーバーの設置場所
・サーバーに必要なソフトウェアの精査
・ネットワーク構成の設計
装置構成が決まってきたら必要な物品を検討しましょう。
コストと性能を踏まえてどこのメーカーが最適なのか、ソフトを導入するのであればライセンスがいくつ必要なのか見積もる作業となっていきます。
他にも購入したサーバ機器をどこに収納するかも検討します。
機器は熱に弱いため、サーバーに熱がこもらないように排気ロの向きや冷房の調整、ケーブルの長さや安全性を考慮して収納する場所を決定していきます。
②構築その1~機器配置~
設計が終わったら実際に機器を配置していきます。
設計通りの場所に機器を搬入していき、ケーブルを接続していきます。
機器を固定し終わったら、必要に応じて手動で電源を入れて機器を操作しシステム(OS等)の初期設定をしていきます。
③構築その2~サーバ設定~
サーバの設定をするためにコマンド投入や設定画面の操作をしていきます。
なお、②構築その1で遠隔から接続可能な設定をしている場合は、現地からではなく遠隔から設定していくことが多いです。
必要なパッケージや研究開発から提供されている成果品などの資材をサーバーに入れてサービスを動かします。
サービスを動かしたあとは、正常に動作しているかどうかの試験をしていきます。
たとえばホームページをサービス提供する場合であれば、以下の観点を確かめてサービスを提供するか否か決めていきます。
正常性確認の例
・ホームページの表示速度が遅延していないか(〇〇msより多くないか)
・正常に画面が表示されるか
・メール送信でメール送信先に送れるか
サービスによって確認観点は変わるので必要に応じて検討することになります。
④保守・運用
サービスの提供が開始されたら、サービスが正常に動いているか見守ります。
サービスに不具合や機器の故障が発生した場合、修正プログラムを適用したりハードを交換したりしていきます。
サービスによっては24時間止められないものもあるため交代制で監視しつづけていく場合もあります。
インフラエンジニアの年収
インフラエンジニアの年収は、エンジニアを雇う企業の大きさによってかなり左右されます。
ここでは口コミや職場でのインフラエンジニアの調査をもとに筆者独自でおおよその企業別インフラエンジニアの年収相場を調べました。
企業分類 | 年収範囲 |
大手外資系のインフラエンジニア | 400万~1200万 |
日系商社SIerのインフラエンジニア | 400万~900万 |
日系大手メーカー系のインフラエンジニア | 400万~900万 |
大手外資系のエンジニアであれば年収1000万円以上も夢ではないでしょう。
日系企業であっても日本の平均年収よりをやや上回ることができます。
ただし、注意すべきポイントがあります。
それは、年収以外にも福利厚生や就労条件・残業時間は各会社によって異なることです。
インフラエンジニアの場合、年収が高い企業ではかなり多くの残業や夜勤をしている場合があります。
年収金額はあくまでも参考程度に、就労条件や福利厚生も含め会社に確認しましょう!
必要なスキル
1.コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは必須です。
と思われるかたが多いです。
インフラシステムのような大規模なシステムはチームを組んで業務を実施していきます。
チームとコミュニケーションをとり、認識を確かめあって作業を進めていくためです。
2.サーバ系のスキル
インフラエンジニアではサーバーを取り扱うことが多いため、サーバーのスキルが求められます。
サーバーのOSとしては、Red Hat Enterprice Linux 、Cent OS、Ubuntuがよく使われます。
設定をする際はコマンドを投入していきますのでコマンドの基礎的な知識も求められます。
サーバーエンジニアを目指している場合は初歩的なコマンドを覚えておいたほうがよいでしょう。
3.ネットワークのスキル
ネットワークのスキルは、インフラエンジニアにとっては必須のスキルです。
セキュリティ性やサービスの品質を高めるためにどのように設計するか検討する際にネットワークの知識が問われます。
実際に取り扱う機器としては、会社によって得意先は異なりますがCisco製のルーターやスイッチ系やHulett Packard Enterpriseのスイッチなどがあります。
4.ITの基礎的なスキル
ITの基本的なスキルはもちろん必要です。
インフラエンジニアはITの幅広い知識が問われます。
通信や情報に関する基礎的な知識が土台になってサーバーの知識が必要になってくるからです。
>>おすすめIT系資格3選!【取得して役立ったIT資格をITエンジニアが解説】
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上記の記事で紹介している資格を取得すれば、基礎的なインフラエンジニアの知識を習得することができます。
インフラエンジニアのメリット
1.IT業界全般の知識が身に着く
インフラエンジニアをすることでIT系の知識をある程度網羅することができます。
エンジニアである牛係長は、ITの基盤であるサーバー構築からアプリケーション・ホームページの知識を学ぶことができました。
私の場合、カスコン系のサービスを提供しているシステムに携わり、サーバ以外にも多くのことを学びました。
例としてあげると、
1.Linuxの設定
2.PostgresSQL・Tomcatなどのミドルウェアの知識
3.htmlなどのマークアップ言語
4.Python・WinActorを使った設定効率化
などを学ぶことができました。
システムによって身に着けることができるスキルに差はあるものの、IT好きであればかなり魅力的ではないかなと思います。
IT業界に精通したい!というかたは、インフラエンジニアも職業候補のひとつになってくるでしょう。
2.求人が多い
転職市場ではIT系の求人が多いです。
インフラエンジニアとして培った経験は汎用性が効くため転職市場でも需要があります。
昨今では転職は当たり前の時代に移りつつあります。
市場で汎用性の高いスキルを身に着けておきたい場合、インフラエンジニアは有効であるといえます。
3.私生活でも役立つ
インフラエンジニアのスキルは意外にも私生活で役に立ちます。
例えばブログを立ち上げたい場合、レンタルサーバーを借用することが多いと思います。
ブログの構成にこだわりたい場合、サーバーの設定が必要になってくるためエンジニアの知識を活かすことができます。
自分の趣味や仕事としてサーバー運用をしていきたい場合にインフラエンジニアの経験が役立つでしょう。
インフラエンジニアのデメリット
1.深夜勤務がある
インフラエンジニアはトラブルが起こった場合のことを考えて、お客さんがあまりサービスを使用していない時間帯を狙って作業することが多いです。
つまりひとが眠っている深夜帯に作業をすることになります。
さらには深夜帯という決まった時間で設定作業をするためタイムアタック状態になり、正直ストレスは溜まります。
夜勤後は生活習慣が乱れる原因になるので、生活習慣をもとに戻す努力が必要になります。
2.システムがトラブルをおこすと大変
システムがトラブルを起こすとたいへんです。
インフラのシステムは多くのお客さんに影響を与えるため、すぐにお客さんから苦情がとんできます。
電話で呼び出しされて即座に対応することになるため、休日でもトラブルがあれば呼び出されます。
3.目が疲れる
作業時に目が疲れます。
特に設定作業となると、パソコンに向かってコマンドを確認しながら作業するためです。
コマンドを打ち間違えると最悪の場合システムがとまるため、注意しながら作業していくのでたいへんです。
インフラエンジニアに向いているひと
インフラエンジニアに向いているひとの特徴をまとめると以下の通りです。
インフラエンジニアに向いているひと
・いろいろなITの技術に関わりたいと思っている
・お客様の業務を支えるインフラの仕事に興味がある
・ITの技術を学ぶ意欲がある
インフラエンジニアはあらゆるITのシステムに関わることが多いです。
サーバの技術はもちろん、
プログラミングをしたり、AI・RPA・クラウドなどのさまざまな最新技術に携わることもあります。
そのため、インフラエンジニアはさまざまなITの技術を学びたいと思っているかたにも最適です。
また、インフラエンジニアはお客様の業務を支えることができます。
システムを構築するお客様も幅広く、飲食・物流・IT・農業・教育業界などのシステムに関わることができます。
あらゆる業界の下支えをすることに興味があるかたにはおすすめの職業です。
最近ではIT人材が不足しているため、未経験でもインフラエンジニアになるチャンスはあります!
新卒採用だけでなく、転職市場においてもインフラエンジニアの求人は多いです。
興味のあるかたはインフラエンジニアの求職に応募して挑戦してみましょう!
インフラエンジニアの仕事に関わるための近道は?
インフラエンジニアの仕事に関わるための近道は、新卒切符を使って大手IT企業に就職してしまうことです。
なぜなら、新卒切符では少しのITに関する業務があれば採用してもらえる可能性が高いためです。
大手IT企業に新卒で入社するメリットは以下の通りです。
新卒で大手IT企業に就職するメリット
1.研修をたくさん受講できる
2.さまざまな規模の案件に携わることができる
3.大手の経験を活かして転職活動を有利に進めることができる
転職活動で年収アップを目指すためには業務経験を重視した面接になるため、経験がないときびしいです。
しかしながら中途採用に比べ、新卒採用は本格的なITの経験がなくても雇ってもらえる可能性が高いです。
インフラエンジニアの仕事に興味があるのであれば、新卒切符を有効活用してみましょう!
まとめ
本記事ではインフラエンジニアの仕事について解説していきました。
これから就職されるひとも、転職としてインフラエンジニアを考えているひとにも、本記事がお役にたてれば幸いです。